野営+トレイルラン その①
今年になって初めての山遊びです。
以前からやってみたかった、「野営+トレイルラン」をしてきました。
(やっていることが少々グレーなので、地名は控えます。)
分かりやすく言うと、自撮りしたこの写真。前後にザックを背負った怪しい登山者ですw
前のザック ・・・ トレラン用ザック(2kgくらい)
後ろのザック ・・・ 野営装備が入った大型ザック(15kgくらいかな)
私の大好きなランニングと野営を合体してみました!
- 車止めゲートから、この怪しい格好でしばらく登山道を走ります。(幸い誰にも会いませんでした)
- そして、沢に降りて湧水のあるテン場適地にて、大型ザックをデポ。
- トレラン用ザックを背負い、終日山を走り、夕方にテン場に戻る。
- 人知れず、そっと静かに野営をする。
以上が今回の計画です。
静かな山を楽しみたいので、釣り人や登山者が少ない厳冬期で、かつ残雪が無いエリアを選択。
夜は相当冷え込むので、防寒具を十分に装備して、焚火と酒と温かい料理で、寒いながらも豊かな山遊びをしようと言う考えです。
ついでに最近買い込んだ色々なフィールドギアを確認してきました。
▼誰もいない静かな登山道をひたひた走ります。吐く息が白い。
▼昨年買った大型ザック(mont-bell アルパインパック50 + 別売トップリッド)。
息子が小さい頃に使っていたザックを子亀の様に付けています。これは酒類専用ですw
▼つい先日購入したトレランザック(salomon ADV SKIN 12)
来月に延期になった小江戸大江戸200K(200km超えのウルトラマラソン)で実戦投入をするので、使い勝手を検証中です。
さて、大型ザックを木陰にデポ。9:30トレイルラン開始です。
現在位置の標高が530m、まずは1293mの山頂を目指します。コースタイムで3:30程度のルートです。
登山道はかなり荒れており、所々、ルートが不明瞭です。地理院地図と地図アプリGeographicaでルートを確認しながら赤テープを頼りに進みます。
▼道が非常に不明瞭。鹿の足跡しか痕跡がない。
そして、中間地点の峠を越えて、そこから、しばらく下りを快調に進む事20分、ふとGPSを確認したら大幅に現在地がずれている事が発覚!しまった!痛恨のルートミスです。気合で同じ20分掛けて元の峠に登り返しましたが、40分のロスと大きな体力の消耗。イタタ!
▼こんな坂道を気持ちよく下った後、ルートミスに気付く。
中間地点の峠から再スタート。そこからは予定していたルートを走り、TOTAL約3時間で山頂着。ルートタイムよりずっと早く着きました。
綺麗な避難小屋があるので、そこでランチタイムにします。
今回のランチはカップラーメン(カレー味)とおにぎりとランナーらしくない食事w
カップラーメンのお湯は、ビール缶で自作したアルコールストーブで沸かします。軽い・故障しない・静かと、ファストトレッキングには最適なギアです。こんなにコンパクトになります。。
▼アルコールストーブ・ゴトク・ライター・箸・燃料用アルコール50ml
これで約260g。あとはカップラーメンと水300mlほどあればOK。
▼ゴトクは風防も兼ねてます。消火用のフタもあります。
▼そして、カップラーメン完成
食後はすぐに避難小屋を出て、稜線を縦走。
▼雪化粧の富士山がきれい
▼こんな痩せ尾根を走るのも緊張感があって心地良い。
1時間ほど走り、大きな峠の分岐に到着します。
このまま下れば2時間ほどでザックをデポしたテン場に戻ります。しかし、登山道脇にある看板を見るとルートが廃止になっているでは無いか!山塊全体がここ数年の大雨で荒れておりかなり道が崩落している模様です。
しかし、元のルートを戻るのも大幅な時間が掛かるので、自己責任で廃ルートを進みます。
途中、完全に崩落したガレをトラバースしたり、急斜面を立木に掴まりながら降りたり、ほとんど沢登りの高巻きと変わらない箇所もあり、チェーンスパイクを二回使いました。
▼崩落して道が消失。滑ると止まらない危険なトラバース。
▼チェーンスパイクを装着。これで安心。
▼微妙な橋。最後で崩れないか非常に不安。慎重に慎重に渡りました。
▼最後はこんな切れ落ちた場所。チェーンスパイク持ってきて良かった。
1時間ほどで整備された登山道に辿り着きます。
そこから30分ほど砂利の登山道を走り、テン場に帰還しました。
平均気温は3.3℃、距離にして約17km、高度上昇1,248m、時間は5時間半。登山者には3人しか会いませんでした。
▼右にピュッと伸びたルートミスが痛い!
長くなったので、次に続きます。
珈琲は最高!
珈琲って本当に素晴らしいと思う。昔から大好きです!
なぜ、そう思うかと言うと、こんな感じ。
①当たり前だけど、美味しい!
②珈琲にまつわる背景やデザインが素敵!
③コミュニケーションツールとしての効能が素晴らしい!
①当たり前だけど、美味しい
これは言わずもがな。たぶんカフェイン中毒w
近所のロースター(自家焙煎店)で豆を買い始めたのが約20年前で、珈琲ってこんなに美味しいんだ!!!って衝撃を受けました。さらに、中南米・アジア・アフリカとそれぞれの地域や銘柄によって味が違って、自分の好きな珈琲を探し求める旅が始まりましたw
焙煎鮮度が高い、つまり焙煎して時間があまり経っていない豆って、味に透明感があって、後味もスッキリ、適度にまろやかだったり、酸味があったりして、本当に美味しい。
鮮度を求めると、いつしか、家庭で焙煎できる器具を購入して、ネットで生豆を買って、自家焙煎するようになり・・・我家の換気扇からは時々、香ばし~い香りが近所へ拡散しています。
生豆を手に取ってしげしげと眺めると、その珈琲の素性がよ~く分かります。大きさにばらつきがあったり、すごく丁寧に精製されていたり、小さな異物が入っていると遠く離れた珈琲農園の光景が目に浮かんで、じわ~っとしてしまいますw
<我家の自家焙煎キット。ガスコンロの上でビンゴゲームをするようにガラガラ回しています。>
<キロ単位でまとめ買い。5kgくらいまとめて買います>
<お湯を淹れるとぶわーっと膨らむ焙煎鮮度の高い豆>
②珈琲にまつわる背景やデザインが素敵
エチオピアの奥地にて、山羊飼いが疲れ果てて偶然口にした赤い実。不思議と疲れが取れて元気になったのが、珈琲の始まりと言われています。まさにカフェイン効果!
珈琲の産地はコーヒーベルトと言われる赤道から北緯・南緯25度線以内で、かつ一定の降水量と標高が必要とされます。遠く離れた熱帯地域の港から、はるばる船に揺られ、珈琲豆は日本にやってきます。
そんな珈琲の歴史や道のりを知るだけでワクワクしてしまいます。
また、珈琲は世界中に広がる文化でもあります。
珈琲を飲んでホッとするひと時、珈琲ショップで眺める雑貨の数々。いずれも珈琲を通した時間が本当に幸福感を感じるひと時。
機能だけじゃなくて、心癒してくれるアートやデザインの数々、また珈琲と一緒に食べるスイーツや料理も大好きです。
こってりしたチーズケーキ、クロワッサンに合わせたり、味の濃いナポリタンやカレーの後に飲む珈琲・・・至福の極みですね。よだれ出そうw
<レーズンサンドやブッセとの相性も良いと思う>
<ポップコーンも同じ焙煎器で作れます>
<焼酎に4日ほど浸けると・・・珈琲味の飲み口の良い焼酎になりますw>
③コミュニケーションツールとしての効能が素晴らしい
珈琲は人と人を結びつけるマグネットでもあります。
家庭で珈琲を入れて、妻と様々な話をするひと時。
また、会社のリフレッシュスペースで、ゴリゴリ豆を挽いて珈琲を淹れていると、色々な人が話しかけてきます。
珈琲を通じて様々な人と親しくなれるのもまた、珈琲の魅力です。
<会社でフレンチプレス。プレスと同じボダム製の専用砂時計で4分待ちます>
<妻はカフェオレ好きです。砂糖は入れず、シナモン・カルダモンなどを入れます>
さらに自家焙煎をするようになると、お世話になった人へプレゼントすることもできるのです。これが手作り感もあって、良いプレゼントになるんですよね。
焙煎鮮度の高い豆は本当に美味しい、と言うことを知らない人はまだまだいっぱいいて、私の焙煎は特別な方法では無いけれど、今まで、美味しかったと多くの人が喜んでくれました。
さて、珈琲豆をプレゼントするときは、ジップロックを二重にして差し上げていたのですが、それだけだと味気ないなあ~と思っていて、オリジナルデザインのラベルをデザインしたいなあと思っていました。
という事でデザインしたラベルがこちら。
今後、珈琲をプレゼンとする時はこのラベルを貼って差し上げようと思っていますw
珈琲は最高!
この3ヵ月の自粛生活で変わったこと
新型コロナの感染流行で、医療関係の方々は本当に厳しい日々だと思うし、ご家族も本当に心配だと思う。感謝と敬意の気持ちを持つと同時に、こういう危機に対して、最前線で守ってくれるのは医療関係者なんだと改めて思った。
そして自分たちは、強制的な自粛生活で自分も思っていなかった変化が起きて、本当に驚いて、そして変わったことがたくさんあった。
①自宅内オフィス環境の充実
②家庭生活のゆとりを見直した
③働き方に対する意識改革が進んだ。
④これからの自分の仕事について非常に悩んだ
①自宅内オフィス環境の充実
個室のワークスペース、リビング脇のワークスペースと、二ヵ所をオフィス化した。
デスク、チェア、大型モニター、キーボードも購入。うちは夫婦でリモート化したので、二ヵ所のオフィスが必要だったのです。
今までは、当たり前のように、満員電車で会社に行って、活動的に仕事をして、充実しているような気がしてたけど、な~んだ、そこまでやってた意味が本当にあったの?
通勤が無くて、朝はストレスフリーで仕事を始められて、打合せも必要ならオンラインでできるし、メールやチャットで進捗は可視化されてるし、プロジェクトは遅延無く進んでいる。
現物が見れないとか、ちょっとしたことを同僚に聞きにくいとか、多少の問題はあったが、集中してまとめる仕事などは、オフィスよりずーっと集中してはかどった。
感染が落ち着いても、毎日会社に行かなくてもいいんじゃないかと思うし、満員電車は正直もう乗りたくないなあと思っています。
②家庭生活のゆとりを見直した
今までは、遅くまで仕事して、帰って食事してすぐもう深夜。週末は外出ばかりしてたし、食事も外食が多かった。
それが一転、仕事が終わってもまだ外は明るいし、スーパーに買い出しにも行ける。週末は慌てることもなく家を片付けたり、庭いじりをしたり、家族とテレビ見たり、ゆっくりと過ごす時間が非常に増えた。
今までは、何も用事なく家にいることは少し勿体ない気がしていたけど、実はこんな豊かな時間だったのか!と改めて驚いた。
あとは、二時間の昼休みを取って、ジョギングをすることが、意外と心を豊かにしてくれることを知ったのも嬉しかった。
③働き方に対する意識改革が進んだ
今まで、それなりに自分の意志で仕事をしていたつもりだけど、案外、周囲の評価を色々と気にしていて、全てに70点の仕事をしていたような気がした。
一人で集中して仕事をすると、自分のやるべき所はよりしっかりとやるし、必要性の薄い所は周囲と共有しながら、状況に応じて対応する仕事のやり方になった。
会社から見えない場所で仕事をしている訳だから、見えるのは成果だけ。
さすが、あいつだな!と言われる成果は何だろう?と改めて考えるきっかけになった。
フリーランスの人からすると当たり前なのかな?
④これからの自分の仕事について非常に悩んだ
今まで長きにわたってデザインの仕事をしてきたけれど、その大きなテーマは人が集まる場所を、より活気があったり、快適だったりするデザインだった。それが3密と言う言葉で全否定されてしまった。
自分はこれから何を指標にしてデザインをして、学生にデザインを教えることができるのだろう。悩んで悩んで調べて考えて、なんとなく答えは見えてきていた。
そして、海外のデザインサイトを見たら、早くも新しい生活様式に向けて、様々なデザイン提案があったりして、前向きなデザイナーの仕事に驚くと同時に、凄く勇気をもらうことができた。
デザインは未来を創れるのだ。
この緊急事態に、自分の仕事は意味があるのだろうか、色々と悩んだけど、デザインによって明るい未来を切り開いていけると思うし、学生にもそのことを伝えていけると、改めて自分の仕事に自信を持つことができたのでした。
湯けむり野営@北アルプス 191102-03 後編
さて、後編です。
早朝に一度目が覚めたけど、気持ち良くて二度寝してしまった。
寒い事は寒いけど前回よりマシ。前回は周り中凍結していて、鍋がカチンコチンに固まってたが、今朝は零下まで下がらなかったようだ。
テントを出ると、師範が手ぬぐいを持って帰ってきた。ひとっ風呂浴びてきたようだ。どうやら、昨夜イマイチだった入浴場所から少し下流に、最高な入浴場所を開拓したらしい!グッジョブ!
私も手ぬぐいを持って、朝風呂を頂く事にした。
噴泉丘の前を通過する。グツグツと先端から流れ出ている源泉は80度くらいだろうか。メチャメチャ熱い。それにしても奇妙な物体である。ここは地球だろうか。
そして、熱湯は台地をゆったりと流れていて、その先は川に注いでいる。
熱湯の流れを辿って歩いて行く。
熱湯が流れついた先に最高の入浴場所があるらしい。
ここだ!
右側からドバドバ熱湯が流れ込んでいる。
そして、左側は冷たい沢の水がサブサブ流れている。
そのちょうど中央。(赤い矢印)
石が流れをせき止めていて、その下流が巻き返しになって深くなっており、そこだけ40℃くらいの適温になっている。
早速、パパパッと服を脱いで全裸になる。
「パオーン!!!」
ドボンとそこにしゃがむと、ちょうど首まで浸かる水深で、水温はベスト!
右に寄るとアチチチ!!!
左に寄るとツメテー!!!
真ん中だけが最高に気持ち良い温度。
首までお湯に浸かって下流を向いた景色。冷たい風が頬を撫でる。
最高のビュー。ずっとここにいたい幸福感。
大自然の中、全裸になって最高の野湯を満喫。ムフフ。
すっかり身体も温まったので、服を着て、お湯の流れを辿ってテン場に戻る。
すると、朝食担当の師範が持ってきたサバを焚火で焼いていた。
サバ塩焼き定食。ご飯はシメジの炊込みご飯。
温泉たまごのつもりが放置しすぎて固ゆで卵になっちゃった。
そして、牛肉の赤身を焚火で焼く。数日前からハーブに漬けこんでおいたのだ。
赤ワインがまだ沢山残っていたのでちょうど良かった。
すっかりお腹が満たされる。
そして、持ってきた酒の量が多すぎたが、軽量化のために全て飲み干す。
のんびりし過ぎて、もうすぐ昼だ。このままだと高瀬ダムのタクシー時間に間に合わないので、急いでテントや野営道具を片付ける。
二日間開業した温泉旅館もここで営業終了。
行きよりは少しは軽くなったザックを背負って、川を少し下り、腰までの深さをスクラム渡渉。吊り橋を渡り、登山道を早足で帰る。
振り返ると、槍ヶ岳の北鎌尾根が見えた。「孤高の人」加藤文太郎が遭難した尾根。
ひたすら歩いて、だんだん暗くなり、寒くなってきた。
急がないと16時の最終タクシーに間に合わない!
南北に長い高瀬ダムの南まで来たが、タクシーは北側でまだ遠い。あ~もうタクシーは間に合わないなあと思った時、師範がボソッとつぶやく。
「あ、熊。」
50m程先、黒い物が道を横切って行った。
この瞬間、もう急ぐ気力が無くなり、ゆっくり歩く事にする。ザックが肩に食い込んで、痛くてたまらない。
辺りは真っ暗になり、ヘッドライトを点けてトンネルを通過。やはりタクシーはもういない。ガックリ。あと1時間の歩きだ。
暗い中に光る物が二つ・・・カモシカがじっとこちらを見ていた。
そして、もううんざりする程歩いて、歩いて、やっと七倉ダムに到着したのでした。
おしまい
PS : 全裸になって入浴した野湯ですが、どうやら竹村新道から下る登山者から丸見えの場所だったそうです。パオーン!
湯けむり野営@北アルプス 191102-03 前編
もう師走ではありますが、この秋最後の野営を思い出しながらブログを書いています。
山登りも、釣りや山菜・キノコも好きですが、山の中で焚火をして野営をするのが一番楽しみです。
ほんの一時だけでも社会から完全に隔絶された山の中で、静かに焚火を眺めている時は、本来の自分に帰るような安心感を感じる時間でもあります。さらに、そこに温泉があれば!そして、酒と美味しい料理もあれば、これ以上至福の時は無い!
かつて、群馬、栃木、そして、噴火前の御嶽山の麓にある野湯にも行ってきました。
生命の危険を感じる超酸性泉、大雪の中で腰までしか浸かれない極寒温泉などなど、、、安全な温泉と快適なテン場適地が揃った場所は中々なくて、最後に辿り着いたのは北アルプスの湯俣温泉でした。晩秋の北アルプスで数時間の山歩きの後、最後に冷たい沢を渡渉して野営する物好きは、ほぼ誰もいないのですが、そこはグツグツと温泉が噴き出る桃源郷なのです。
お互い家族もあって都合がつかない釣友「師範」となんとか予定を合わせて、久々に野湯に行ってきました。
11月初旬。赤坂、乃木坂、紀尾井町、上野での仕事を終えてヘトヘトになって帰宅。少し仮眠した後、深夜に師範と合流。中央高速を長野方面へ。安曇野ICを出て、一般道を走り、七倉ダムに到着して車を停めます。
ここから先はマイカー規制で、高瀬ダムまではタクシーを利用できます。この週末が今年最後のタクシー営業期間でした。
タクシー運転手さんの話だと、先月の大雨での被害は他の地域に比べればかなり少ないそうですが、多くの登山者がキャンセルしてしまったそうです。また、この辺は昔は9月には霜が降りて、ステンレスのドアノブに触ると手がくっついたものだとの事。異常気象は一時的な事ではなく、11月でこの暖かさは本当におかしいと言っていました。
さて、高瀬ダム前の激坂はタクシーで登り、トンネル前に下車。ここから約4時間程度の登山道歩きです。
通常の野営装備の他、4m×5m防水ブルーシート、大型スコップ、多めの酒と食材、モンベル#01厳冬期シュラフと今回は装備が多く、久々にザックは20kgオーバー。スコップを杖代わりにして歩き出します。
できればナメコがムキタケがあれば、夜の鍋は賑やかになるなあと思いつつ、キノコの気配のありそうな斜面を凝視しながら道を歩きますが、山の恵みは見当たりません。
前回は凍結していて滑りそうになった木道は、今回は全く凍結していません。
紅葉の山歩きは非常に気持ち良いけど、所々、先月の大雨で道が崩落していました。
正面は槍ヶ岳の北鎌尾根。振り返ると七倉岳らしき山が見えます。
裏銀座ルートから竹村新道を通って降りてきた登山者数名とすれ違います。そして、営業の終わった晴嵐荘を右に見てさらに進みます。晴嵐荘に行く橋は先月の大雨で完全に流されていました。
ここで、テン場で使う飲料水を4Lほど補充。ザックがさらに重くなり、担ぐ時にフラフラします。
そして、踏板が所々欠けている、いや~な吊橋を渡ります。
吊橋を通過して、小さな尾根を越えると、湯俣温泉の対岸に到着。しかし、まだ温泉は見えず、ここから渡渉をしてさらに上流へ行かないと温泉が湧き出る桃源郷には辿り着けません。
以前はこちら側にも足湯くらいはできる場所があったのですが、大雨で流されてフラットな河原になっていて、ここには温泉の気配は全くありません。
しかし、大雨ですっかり変わった川はかなりの水量でザブザブ流れています。
「ここを渡渉するのか・・・(汗)」
渡渉用にTEVAのサンダル(師範は百均の偽クロックス)を持ってきていますが、この川に突っ込んで行く装備としてはかなり心細い。沢靴で来れば良かったかなと後悔・・・。
ひとまず左側の岸壁に足場があるので少し登って、上流に降りられるか行ってみます。
「おおお!師範、危ない!」
ここで、もう足場がなく、引き返そうとするとザックが壁に当たって、沢に落ちそうになる。数メートル下の沢に落ちて流されたら流石にヤバそう。
慎重に引き返してまた河原に戻ってしまう。
しばらく悩んでいたけど、寒くなってきて、覚悟を決めて思い切って川を渡渉する事に決める。
一番深い所でおそらく腰くらい。流れは結構早そうだ。今まで沢登りでは何度も渡渉した水深だけど、今日の重いザックと足回りの装備だとかなり不安。
ヨシ!と意を決して、師範とお互いのザックのハーネスをしっかりと握り、スクラム渡渉で沢に突入。一歩一歩慎重に歩を進める。思った以上に水圧が強い!
持っていた大型スコップが水流に流されそうになって重心が傾き、ヤバい!と思ったが、なんとか持ちこたえて川を越える事ができた。ホッ。
そして、沢通しで少し上流に歩き、湯けむりが立つ台地へ登る。
やった。久々にやってきた。
目の前に湯けむりが立つ不思議な景色が広がる。誰もいないし、足跡も全くない。
大雨の後、ここに来たのは僕たちが最初のようだ。しかし、雪の降る季節までおそらく誰も来ないだろう。
この摩訶不思議なおっぱいの様な物体は、長年噴き出した温泉の石灰成分が堆積してできた「噴泉丘」。以前と変わらずグツグツと温泉を噴き出していた。
台地の上をゆったりと温泉が流れ、噴き出した所は湯けむりが上がっている。白砂の広い台地は全く足跡が無く、僕たちの背後にはサンダルの跡が点々と残されていく。
入浴場所を確かめてから、テントとタープを設営。温泉旅館の営業開始だ。
今回はテントは二人別棟でゆったり。タープの下に大きいザックを置き、薪を集め、鍋に水と米を入れてから、入浴場所の土木工事に取り掛かる。
テント場から川に降りると温泉が湧いており、大型スコップで入浴場所を広げる。沢の水と混ぜて適温にして、ブルーシートを使って入浴場所を作ったが、思ったほど水深を稼げず、十分快適な温泉にならない。
ひとまず、温泉はそこで入る事にして、夕食の準備に取り掛かる。
今夜の鍋料理は塩味の鶏みぞれ鍋。
鶏もも肉をゴマ油とニンニクで軽く炒めてから、水と具材を投入。しばらく煮込んだ後、味付けをして、大根おろしを投入。
大根おろしをおっぱい状にちょいちょいと乗せて、、、
「湯俣スペシャル噴泉丘鍋」の完成!!!
すっかり冷え切った身体に鍋の温かさが染み渡る。焚火で炊いたお米と一緒に、お腹を十分満たしてから、ビールを片手に川へ移動し温泉に入浴。
イマイチ水深を稼げず寝湯になっちゃったけど、身体は十分に温まり、焚火の前に戻る。
多めに持ってきたビール、数日前から珈琲豆を漬け込んだ「珈琲焼酎」、そして赤ワインを飲んでから、師範が高校時代に好きだった女の子の話をグダグダし始めて、うぜーと思いながら記憶が無くなるほど飲み、#01の厳冬期用シュラフに潜り、気持ちよく(?)眠りにつく。
深夜に尿意を感じてテントを出たら、思わず声が出てしまうほどの夜空!
南の空にオリオン座、北の空に北斗七星が同時に見えるほど、満天の星空がパノラマに広がっていた。
長くなったので後編へ続きます。
今後の目標
まさかマラソンが趣味になるとは思ってもいませんでした。
小学校の頃は足が遅くて、いつもクラスで下から二番目くらい。
しかし、元プロボクサーだった私の父は「毎朝のロードワークは身体作りの基本だ!」と言って、自分も妹も弟も、毎朝毎朝ジョギングをやらされていて、私は小学校卒業まで続けたが(妹と弟はなぜか同時にやめた)、全く効果は現れませんでした。
その効果がやっと現れたのは高校時代で、当時、持久走だけはスポーツ推薦で入学したゴリゴリの野球少年と、弱小水泳部の私が互角に争っていました。(私の高校は元甲子園全国優勝校)
持久走最終日の体育の授業、私は密かに一位を狙っていました。得意の下りで野球部とサッカー部をごぼう抜き、直線逃げ切りでゴールをする。イメージは完璧でした。
前日気合を入れてニンニクを二個丸々食った。今思えばこれが大失敗。
下りで勝負をするどころか、お腹が下って、脂汗をかきながらのゴール。
結局、順位は下から二番目でした・・・。
そんな話はどうでもいいのですが、今はマラソンが趣味どころか、生活の一部。「ランニングは中毒性がある」と行きつけの整骨院のお兄さんが言っていたが、まさしく私もランニング中毒に少し侵されていると思う。
まあ私の周囲を見ると、私はまだまだ軽度ですけどね。
文字通り運痴(ウンチ)だった私ですが、40代もまもなく終わる今、Garmin ConnectのVO2MAXが54(調子良い時は55)、同世代の95パーセントタイル値を超えるという事で、デザイン・設計想定上無視していいカテゴリーに入ります。
まあ私の周囲を見ると、私はまだまだウンチではありますけどね!
そんな話はどうでもいいのですが、私にとってのマラソンは、妻は「ただの趣味でしょ」と軽く言うのですが、「ただの趣味」ではなく、仕事やその他様々な事に向き合うモチベーションの原動力の様なもので、マラソンを続ける事で自分自身が前向きに考えられるスポドリやエナジージェルの様なものなのです。
前振りが長すぎましたが、今後の目標をここにまとめておこうと思っただけなのでした。
1、ゼロ富士(富士山頂往復マラニック)完走(8月初旬)
今年は抽選に漏れたので来年以降の目標(涙)
ウルトラに馴れる様に超ロング走の練習をしながら、野辺山100Kに来年以降もチャレンジして、仕上がった状態でゼロ富士に再再挑戦。
来年の野辺山での三湯制覇「湯プシロン」の称号を手に入れるのも密かな目標です。
富士登山も時々やって、あの高度で登り続ける事に体を慣らしておきたいですね。
2、ハセツネ30Kで1000位以内に入り、本戦優先出走権ゲット(3月末か4月初旬)
今年惨敗だったので、来年は優先出走権を得て、本戦に出たいと思います。
クリック合戦で本戦に出ようかとも思いましたが、やはり予選である30Kを通過して本戦に出たいですね。
時々、コースを試走してあの独特のコースに馴れるつもりです。
トレイルの苦手意識も払しょくしたい。
3、別大クオリティの維持(秋から冬のフルマラソンシーズン)
昨年、地元のさいたま国際でグロス サブ3.5を達成して、別府大分毎日マラソンでの一番下である「カテゴリー4」のエントリー条件を満たしました。
なので、9月エントリーで来年2月のレースに出走可能なのですが、来年は子供が受験なので涙を飲んでパスします!来年のエントリー、再来年の出走を狙います!
つくば→さいたま→勝田(若潮?)の三戦どれかで、なんとかグロス3.5を達成して、再来年に別大に出て、さらに厳しい途中関門をクリアして完走してみたい!
たぶん、これを狙えるのはあと数年?なんとかクオリティを維持か向上して、出てみたい憧れのレースです。夏の練習を怠らず、調子よく秋を迎えたいですね。
あ、まもなくつくばのエントリー時間・・・!
不良親父たちの沢遊び 190607-08
今回は「土砂降り隊」との釣行。メンバーはミキさん、Iさん、デンさん。
みんな酒の付き合いは長いが、デンさんとの釣りは初めて。Iさんとは野営はしたことがあっても、一緒に釣りをするのは初めて。ミキさんとの釣りもかなり久しぶりです。残念ながら宇都宮在住のエッグマン隊長は都合が合わず来れなかった。
昔は一尾でも多く、そして大物が釣れないと満足できなかった。同行した釣友に自分より大物が釣れると悔しかったのは、僕だけじゃないだろう。
しかし、今やみんなすっかり大人になり、ガツガツしてた頃の面影はなく、落ち着いていながらも、ちょっと(いやかなり)不良な親父になっている。
それでも、野営を愛し、焚火を愛し、酒を愛し、少しだけ釣りも楽しむ。
今日の釣りも自分の中で忘れ得ぬ思い出になって、またしばらくすると、野営が恋しくなるのだろう。
そして、車を停めて、ザックを背負い、四人で歩き出す。
心地よい沢の音、足元を流れる水の冷たさ、ミソサザイのさえずり、頬を撫でる風。
大岩を越えたり、渡渉を繰り返して、上流へ向かう。重いザックが肩に食い込む。
あちこちに残る大増水の痕跡が生々しい。
そして、約3時間で広く快適なテン場に着いた。
幕を張り、荷物を置いて、薪を集めたら、竿を出して釣り上がる。
昔からこの渓のランドマークである三角錐岩に登るミキさん。
岩の先端がおそらく昨年の増水で欠け落ちていた。
僕はルアー、三人はフライとテンカラ。おそらく活性が低く大淵しか釣れないと見込んでルアーにしたのだが、どうやら読みが外れたようだ。
それでも少しの釣果を得て、三人は僕より大きな岩魚を毛針で何尾も釣っていた。
釣りが終われば焚火を囲み宴会だ。
釣れた岩魚を捌いて餃子を握るミキさん。僕は先週採った行者ニンニクと豚肉で炒め物を作った。そしてIさんの鍋はサムゲタン。鶏肉のゼラチンがたまらない。
焚火と酒と料理を前に、夜はふけていく。
渓は自由だ。いつも渓に来ると本来の自分に帰る気がする。
親父たちの思い出話は尽きず、いつものデンさんの遭難話で、酒も回り、いつしかウトウト・・・
しとしと降るお約束の雨で眼が覚め、のんびり起きつつ焚火を熾し、温かい朝食を食べる。
もう一泊の予定だったが、雨ですっかりやる気を無くした不良親父たち。今日はもっと奥の沢を攻めようと言う僕の意見は直ぐに却下され、下山が決定。
物足りない僕はしばらく一人で釣りをさせてもらって、多少のお土産を釣った。
あいつがここにいたらなあ。
みんな同じことを思ったと思うけど、誰も口にしなかった。
僕よりもみんなの方が、喪失感は大きいはずだ。
それでも、渓は変わらず、水はいつまでも流れ続ける。