不良親父たちの沢遊び 190607-08
今回は「土砂降り隊」との釣行。メンバーはミキさん、Iさん、デンさん。
みんな酒の付き合いは長いが、デンさんとの釣りは初めて。Iさんとは野営はしたことがあっても、一緒に釣りをするのは初めて。ミキさんとの釣りもかなり久しぶりです。残念ながら宇都宮在住のエッグマン隊長は都合が合わず来れなかった。
昔は一尾でも多く、そして大物が釣れないと満足できなかった。同行した釣友に自分より大物が釣れると悔しかったのは、僕だけじゃないだろう。
しかし、今やみんなすっかり大人になり、ガツガツしてた頃の面影はなく、落ち着いていながらも、ちょっと(いやかなり)不良な親父になっている。
それでも、野営を愛し、焚火を愛し、酒を愛し、少しだけ釣りも楽しむ。
今日の釣りも自分の中で忘れ得ぬ思い出になって、またしばらくすると、野営が恋しくなるのだろう。
そして、車を停めて、ザックを背負い、四人で歩き出す。
心地よい沢の音、足元を流れる水の冷たさ、ミソサザイのさえずり、頬を撫でる風。
大岩を越えたり、渡渉を繰り返して、上流へ向かう。重いザックが肩に食い込む。
あちこちに残る大増水の痕跡が生々しい。
そして、約3時間で広く快適なテン場に着いた。
幕を張り、荷物を置いて、薪を集めたら、竿を出して釣り上がる。
昔からこの渓のランドマークである三角錐岩に登るミキさん。
岩の先端がおそらく昨年の増水で欠け落ちていた。
僕はルアー、三人はフライとテンカラ。おそらく活性が低く大淵しか釣れないと見込んでルアーにしたのだが、どうやら読みが外れたようだ。
それでも少しの釣果を得て、三人は僕より大きな岩魚を毛針で何尾も釣っていた。
釣りが終われば焚火を囲み宴会だ。
釣れた岩魚を捌いて餃子を握るミキさん。僕は先週採った行者ニンニクと豚肉で炒め物を作った。そしてIさんの鍋はサムゲタン。鶏肉のゼラチンがたまらない。
焚火と酒と料理を前に、夜はふけていく。
渓は自由だ。いつも渓に来ると本来の自分に帰る気がする。
親父たちの思い出話は尽きず、いつものデンさんの遭難話で、酒も回り、いつしかウトウト・・・
しとしと降るお約束の雨で眼が覚め、のんびり起きつつ焚火を熾し、温かい朝食を食べる。
もう一泊の予定だったが、雨ですっかりやる気を無くした不良親父たち。今日はもっと奥の沢を攻めようと言う僕の意見は直ぐに却下され、下山が決定。
物足りない僕はしばらく一人で釣りをさせてもらって、多少のお土産を釣った。
あいつがここにいたらなあ。
みんな同じことを思ったと思うけど、誰も口にしなかった。
僕よりもみんなの方が、喪失感は大きいはずだ。
それでも、渓は変わらず、水はいつまでも流れ続ける。