2021 山菜ハンティング

五月中旬、春も盛りで山間に山菜の季節が訪れました。今回は山菜採りです。

(今回は雨ばかりで写真少な目です)

おそらく、ここに来るのはこれが4度目かな。ギョウジャニンニクを始めとして様々な山菜が安定して採れるので、釣り仲間の定番スポットです。

 

当初、私と師範とコバさんの3名で行く予定でしたが、師範が珍しくドタキャン。理由は会社から受けろと言われて渋々やっている資格試験の勉強だそうな。

一方、相変わらずやる気満々のコバさん。私と深夜0時に国立府中のコンビニで待合せをする。

コバさん「アイゼン忘れちゃったよ」

私「え?!雪渓登るけど大丈夫?」

コバさん「ま、何とかなるでしょ」

 

といきなり衝撃の告白。「ちゃんとしたアイゼン持って行った方がいいよ」って自分で言っていたのにw

(コバさんは雪渓を何度か滑り落ちた前科あり)

 一抹の不安を抱えつつ・・・そのまま高速道路に入り、長い峠道を走り、山菜の里へ向かいました。

 

長い道中、コバさんと仕事や家族など色々な会話をしながら進みます。コバさんは釣りも山菜も、成果へのこだわりが誰よりも強い。仕事に対してもコバさんの立ち位置は揺らぎが無いようで、コバさんの合理的でひたむきな仕事への考えに感心しながらも、昔からの釣り友達の知らなかった側面を知って興味深かった。

 

さて、明け方に車止めに到着。小雨が降っていてイマイチやる気がわかない私の横で、コバさんはそそくさと準備している。ようやく私の準備が整って車を出た時に雨は止んでいた。

 

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所々に雪が残っているが、例年より少ない印象。昨年も少なかったようだ。

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今回は久々の山菜採りで、二年前の記録を見ながら準備していた。

足回り:ミッドカットのゴアテックス登山靴(写真は使用後で超汚い)、ロングスパッツ。12本爪アイゼンはザックの中へ。

ザック:モンベルのバランスライト40。フレームレスの軽量シンプルザックだが山菜やマイタケ採りには十分。ショルダーハーネスにカラビナを付けて、買い物袋をぶら下げた。

衣類:アンダーはファイントラックの上下。化繊のミッドレイヤー。アウター上下はゴアテックスの雨具。今日は降ったり止んだりだろうから最初から雨具を着る。コバさんは上下ワークマン雨具で、山菜とマイタケの時は3軍装備としているみたいだw

ツール:最近、山菜採りしか出番の無い山屋の魂「ピッケル」。見た目は登山者です。

ウコギ系の樹木を引き寄せたり、雪渓登山での安全確保に使用。

腰には今回DIYショップで買ったツールポケットを付けた。ウド用スコップ・ギョウジャ用ハサミ・コゴミやフキノトウ用の小型ナイフなど刃物一式を入れた。これは山菜採りの標準装備になりそうだ。

 

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ここは同じ時期、雪渓が左右に壁のように残っていた道。今年はほとんど無い。

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冬季は車両は通行止めとなる登山道を歩いていく。時折雪渓が残っている。雨は降ったり止んだり。

地図アプリにマーキングしてあったコシアブラポイントでコシアブラをゲット。

タラの芽を時々採取しながら進む。立派なタラの木が多い。ハリギリはまだ芽が小さい。ウドも例年より少なめかな。コゴミはやや伸びすぎが多かった。

 

そして、山菜を採りながら登山道を7kmほど歩き、ようやくギョウジャニンニク沢に到着。ここからがメインイベントだ。

私だけ12本爪アイゼンを装着w

 

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前回は山頂まで続いていた雪渓。早くも口を開けているのが見える。

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沢沿いに雪渓が大きく残っていると、ギョウジャが生えている標高まで雪渓登山で登れるのだが、今年は雪が少ない。しばらく登ると雪渓がぱっかりと口を開けていて、轟々と水が流れていた。これ以上はもう登れない。

私「ダメだね。これじゃあ。」

コバさん「尾根から藪漕ぎで行けるよ。前にも行ったことあるし。」

マジか・・・かなり上だよな・・・。

とても藪漕ぎで辿り着けそうな気がしない。

 

アイゼンが無いので身軽なコバさん、ストックを畳んですぐに藪へ突入していった。私は突然邪魔になったピッケルを胸前に装着し、藪では取り回しづらい12本爪アイゼンを付けたまま、すぐにコバさんの背中を追う。

雨がどんどん本降りとなっていく。雨具のフードを被っても雨と汗で服はグチャグチャになる。コバさんはどこにいるのかもう見えない。藪を進んでも進んでも、ピッケルやアイゼンが引っかかって、なかなか標高を上げられない。悶絶しながら藪を掻き分け斜面を登っていく。

途中でコバさんが待っていて、あの斜面だよと緑の斜面を指差す。まだまだ先じゃんか。そして、コバさんはまるで猿のようにまた藪の中へ消えていった・・・。

再度、猛烈な藪の中を突き進むこと2時間くらいだろうか。登山靴の中もグショグショ。ウンザリしたころにやっと開けた斜面に出た!

 

一面に緑が広がり、所々にギョウジャニンニクの大群生が見える。

「おおお!ここは凄い!ニンニク畑だ!!!」

地獄の藪漕ぎだったが、一瞬で心が晴れわたる素晴らしい光景が広がっていた。

 

その群生の中で夢中でギョウジャニンニクをレジ袋に詰めている男が見えた。

狩猟本能の鬼、コバ氏であった。急な泥斜面でアイゼンも着けず器用に忙しく動き回っていたwww

 

ここは過去に採っていた斜面とは別の斜面で、ここにもギョウジャニンニクの大群生があった。私もレジ袋一杯に採取したが、二人では到底採り切れない大群生が斜面にずっと広がっていた。

 

二人とも十分にギョウジャニンニクを採って、また藪斜面や雪渓を下って登山道に戻った。アイゼンを外して登山道を降りていく。

途中で泥斜面を少し降りてウドを掘ったり、雪渓の横に生えるフキノトウを採ったり、コゴミやハンゴンソウを採りながら歩いていく。

 

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今回は今まで気づかなかったコシアブラの木をいくつも見つけることができた。コシアブラの樹皮、樹形、葉の色や形や艶。生えそうな斜面などが分かってくると、次々にコシアブラを見つけることができた。

今回の山菜採りでコバさんと私はコシアブラサーチアイを身に着けたようだった。

 

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今回唯一の山菜写真w 

 

車に戻ってザックを降ろす。

持ってきた豚バラ肉とギョウジャニンニクを炒めて昼食。ギョウジャニンニクはニンニク的な香りや味と野菜的な食べ応えがあって、それでいて、豚バラ肉のパンチに負けていない。やっぱり旨いなあと実感。

 

その後、露天風呂にて、雨で冷え切って泥だらけの身体をきれいにして、また長い道のりを二人で帰っていった。

  

さて、山菜採りはアフターも非常に重要だ。

翌日の夜は義母を招いて、息子と妻と四人でナガイモ家は山菜フェスティバル!

山形出身の母はハンゴンソウの香りと味が凄くお気に入りみたいだった。

何度も「あれ?なんて山菜だっけ?」と私に聞いていたw

 

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 フキ味噌/ウド味噌/コシアブラ・ウド・その他山菜天ぷら/ハンゴンソウおひたし/コゴミのシーチキンとナッツ和え/コゴミのだし醤油とおかかのおひたし/ウドのクリームチーズパスタ/山菜料理の王者(と勝手に呼んでいる)ギョウジャニンニク豚バラ炒め

 

年に一回の山菜イベント。

私も仕事やプライベートで師範の様に行けないこともあるけど、人生短し、出来る限り一期一会の山遊びを楽しんでいければ良いなと思った。

 

 

おしまい