2021年GW釣行 ~10年前の思い出の渓~ 一日目
今年のGWはどの沢へ行こうか~?
コバさん・師範とLINE協議の結果、行先はかつて何度も通った南アルプスの渓に決まった。
10年前まで師範と5回も通った渓。当時は尺を超えるヤマトイワナも釣ったし、少しだけどキノコや山菜も採った。秋にはサルナシや山ぶどうも採った思い出の渓だ。
しかし、もう10年以上も前。
記憶も曖昧で、どの支流でどのくらい釣れたかあまり思い出せない・・・年だね。
夜通し高速を走り車止めに到着。
一時間ほど仮眠した後に、現在は廃道となった登山道を出発する。
かなり寒~い!!! 気温は3℃。
ミッドレイヤーを脱いで出発するつもりだったが、脱がずにそのまま出発した。
防寒具も多いのでやや重めのザックだが、10年前よりも道具が進化して軽くなっていると思う。
10年前もここに眠っていた車は変わらず。(白黒写真に変換)
所々に残雪。フキノトウやタラの芽を少し採った。
正面に大沢岳が聳え、右に兎岳が少し見える。
左奥に立派な荒川岳。大沢岳の裏に赤石岳がほんの少しだけ見える。
いずれも山頂はまだ雪が被っている。
右側に視界を移すと、聖岳、上河内岳、茶臼岳かな?
この残雪状況だと水温はかなり低いだろう。釣りは厳しいかなあ~。
アプローチ最大の難所。橋が崩落しているので沢に降りて登り返す。
10年前は50mのトラロープを持ってきて、立ち木に結んで突破したのだが、誰かが設置した残置ロープがあり、難なく通過。
2時間半ほど歩いただろうか。順調だ。
ここから尾根を下降して沢まで降りる。
今回釣りをするのは、向かって左側の谷。
沢靴に履き替え、チェーンスパイクを装着して急な尾根筋を下降していく。
一度、ヘリテイジの軽量ストックが折れそうになった。
そして、いつもこの尾根筋がヒルの巣窟だったのだが、この気温でまだヒルが活発になっていないようだ。全くヒルを見ることなく通過できた。ホッ。
一時間半ほど下降して渓に降り立つ。
早速、釣りをしながら遡行開始。
一昨年の台風の痕跡が見える。両岸に高く砂利壁ができていて、そこまで増水したのが分かる。しかし、時間の経過とともに渓は復活しているようには見える。
自然の力は凄まじい。激しい流れと巨岩によって破壊された砂防堰堤が正面に見える。
ここの景色は10年前と変わらない。
10年前はこの堰堤前の淵で、師範が真っ黒い錆びた岩魚をルアーで引き出した。
今日は私が同じポイントにルアーを投げて、良型の岩魚が追ってきたが、ルアーを咥えてはくれなかった。チッ!
師範と私はルアー。コバさんは安定の餌釣り。
いつもはミミズが多いが今回はブドウ虫を付けているようだ。
本流筋を遡行していくと二股に分かれる。
今回は右側のF沢を遡行して、しばらく進んだ先をテン場とする予定だ。
切り立った崖の中を流れる渓なので、時折、落石がバラバラと落ちてくる。
気を付けて遡行しないと非常に危険だ。熊よりも落石の方が怖い。
しかしながら、行けども行けども、私のルアーには全く岩魚の反応が無い。
同じくルアーの師範も全く同じ状況。
餌釣りのコバさんがたま~に釣れる程度。
この低水温で条件が悪いのは仕方ないが、10年前はもっと釣れたはずだけどなあ。
一昨年の台風による増水の影響が未だに残っているのだろうか。
餌釣りのコバさんの腕を持ってこの状況で、私のルアーで釣れる訳がない。これ以上、上流へ行って標高を上げても岩魚が釣れるとは思えない。
長く続くゴルジュ帯を通過したので、日が暮れる前にテン場適地を探して設営しようと言うことになった。
やがて、右岸に落石も増水の心配もない高台があり、そこをテン場とした。
我々は、ようやくザックを降ろし、釣具を納めた。
タープを張り、薪を集め、米を水に漬け、各々の寝床を作り、設営完了。
徐々に気温が下がり、ダウンとメリノウールを着てビールを飲み始める私と師範を横目に・・・コバさんは「ちょっと夕まずめをやってくる」と言ってまた冷たい沢へ降りて行った。
10年前と変わらない狩猟へのモチベーションを維持しているコバさん。
もはや狩猟よりも、酒を飲んでまったりしたいと思う、枯れつつある師範と私。
すっかり暗くなってから、数尾の岩魚を持ってコバさんは戻ってきた。流石である。
乾いた薪は豊富にある。
一度、燃えすぎて山火事になりそうな勢いだった・・・
今宵の夕食は「山菜岩魚天丼」。
山菜のタラの芽とフキノトウ。そして岩魚を天ぷらにして、甘いたれを掛けて食べるつもりだったが、寒さでガスストーブの火力が上がらず、天ぷらをカラッと揚げることもできず、さらに、天丼にした時には天ぷらが冷え切ってしまい、非常に残念な「山菜岩魚天丼」になってしまった・・・涙
コバさん、師範、ゴメン・・・。
師範は酔っぱらって覚えてないだろうから、まあいいか。
二日目に続く。