2021年 小江戸大江戸200k

初めてマラソンレースに出たのは2010年秋。小江戸川越ハーフマラソンでした。

これが私のマラソン人生のスタートでした。

完走した後はフラフラ。足を引きずって帰宅したのでした。

そして、フルマラソン、トレイルラン、トライアスロンをしたり、ウルトラマラソンもやって徐々に距離の長いレースを走り、遂にラスボスとも言える大会に挑戦する時がやってきました。

 

その名は小江戸大江戸200K」。また小江戸川越の地に帰って来ました。

 

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通称「通し」と言うカテゴリーで出場するのですが、ざっくり言うと、川越から荒川沿いを走り寄居を経由して帰ってくる「小江戸90K」。そして、川越から254号を南下し新宿・新国立競技場・六本木・東京タワー・東京駅・築地・浅草寺・東大赤門を経由し荒川沿いを走り川越に戻ってくる「大江戸115K」。

その両方を「通し」で走る合わせて200K超えの超ウルトラマラソンです。

まさに「武蔵野丘陵」と「大都会 東京」と言うアウトドアフィールドを、脚と身体で感じる壮大なウルトラマラソン!そう言うとロマンを感じますね(笑)

 

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2月末開催が緊急事態宣言によって3月末に延期となってしまったけど、私は週末ごとに区間を分けて試走を行いルートを確認。多少、足の怪我はあったが、装備リストやタイムテーブルも作成して、少なくとも準備だけは万全でレースを迎えることができた。

オーバーナイトランも昨年の奥武蔵秩父ジャーニーラン146Kで経験済み。あとは自分の気力・体力がどこまで持つのか?!

そして、3/27(土)の早朝。桜満開の川越 蓮馨寺のスタートに立った。

 

私と同じく200Kを走るのは、しもべーさん・キヨさん・トラ・イシイさん・亀さん。

それから通称「おかわり」(川越に戻ってから、コースを秋ヶ瀬まで逆走して、また川越に戻ってくる+30Kのおかわりラン)に出る超人たち、梅さん・アカネコさん。今回は私を除き超人的な実績を持つヘン〇イ揃い踏みとなった。

スタート前はマスクをしながらしばし談笑。久々の心地よい緊張感。

08:00ジャスト、ウェーブスタートで蓮馨寺を出発。小江戸区間のスタートです。

 

まずは小江戸な街並を走り、伊佐沼を過ぎて左折、圏央道をくぐり、平成の森公園を過ぎ、荒川沿いに出て、さくら堤公園を通過。桜が本当にきれいだった。

桜並木の中で結婚式の記念写真を撮影していた新婚さん、花嫁さんは満開の桜に似合ってとてもきれいだった。汗だくのランナーが前を通ってすいません。

 

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10:28に吉見エイドに到着。ここで21.2km。

エイド待ちの長い行列に並んだ後、クリームパンを食べて出発。しもべーさん、イシイさんに会う。

 

女性ランナーに話し掛けられ、しばらく一緒に進む。信越五岳100マイルを完走したり、さいたま国際フルを3:30で走ったり、かなりの強者だった。話していると疲れを感じず、すぐに玉作水門を通過していく。

12:02に手島エイド着。ここで32.7km。お稲荷さんを二個食べる。

 

しもべーさんと合流して、その後また100マイラーの女性と合って一緒に進む。

鹿島古墳群を過ぎたところで、脹脛のストレッチをしている亀さんを発見。腸脛靭帯を痛めたらしく辛そう。次の浄恩寺でリタイヤすると言ってて、えええ!とビックリ!

それから、北浦和在住のランナーと少し会話。見沼代用水沿いを浦和から利根川まで50kmを走ったらしい。自分と同じことを考える人がいるんだなあ・・・と嬉しくなった。このレースはヘ〇タイたちの総合百貨店だ。

 

重忠橋を渡り左手を見ると、何度か見た派手なオレンジ色の四駆が!

ファミリーマートに着くと、ナオさんとモモ・ユミ夫妻が待っていてくれた。遠い所まで応援に来てくれてとても嬉しい、励まされて、ホッとして元気が出た。ここで45km。

コンビニでとろろ蕎麦を購入して胃に流し込む。

 

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そこから街道沿いを進み、関越花園ICの脇を通り、玉淀大橋を渡りその先の脇道に入る。

15:02に浄恩寺エイド。ここで51.8km。コーラが旨い。

さっきとろろ蕎麦を食べてしまったので、サンドイッチは食べずに進む。

気温が上がってきて首回りが凄く熱くなっているのを感じる。喉が渇きバテてきた。

 

マイラー女性・しもべーさん・キヨさんと一緒に走る。

ジャーニーランでも走った道をしばらく進み、ホンダを越え、いくつかのアップダウンを越え、小川町のミニストップで小休止。ガリガリ君を食べる。暑くて非常に辛い。スポドリは甘すぎて飲む気にならないが、冷たいお茶はすごく美味しい。

脱水気味で頭痛が治らないのでバファリンを飲む。

 

徐々に日が暮れてきて、気温が下がって身体が楽になって来た。ヘッドランプを点ける。この辺から先は試走をしていないので未知の区間だ。上唐子北交差点を右折。

18:13に唐子エイド到着。ここで72km。

楽しみにしていたうどんは順番待ちだったが、しばらく待って、食べたらメッチャ元気が出た。濃い目の味付けが嬉しい。夕闇迫るエイドで隣に座っていたランナーと美味しいですねーと和やかに話す。

 

すっかり暗くなり、また4人で進む。関越を越え、道迷い頻発の下青鳥北交差点を右折。しもべーさんがいなかったら確実に直進してたわ・・・(汗)

そしてまた254に復帰。川越まで真っすぐだ。

コロナ禍でもいくつか私設エイドを出してくれる人たちがいて、本当にありがたい。

コーラをいただいたり、塩飴をいただいて元気をもらった。

 

1km/10分ペースのさりー式パワーウォークで進む、しもべーさんとキヨさんに何とか付いていく。私は会話を楽しむ余裕もない。さらに眠気が何度も襲ってきて、首を振ったり顔を叩いてこらえる。

圏央道川島ICを越え、山田交差点を過ぎ、小江戸の風流な街並に帰って少しホッとする。

21:30 ようやく蓮馨寺着。小江戸区間完走90km。

 

講堂に入って自分の荷物を開ける。ザックに雨具を入れて、Tシャツを替えた後、2階のトイレに行く。階段の下りで左膝がめっちゃ痛い。

ベンチで少し談笑しながらベビースターラーメンを食べる。なんとかまだ行けそうだ。行ける所まで行こう!しかしここから大江戸115kを走るってどんだけ地獄なんだ?!

22:08 蓮馨寺を出発。ここから大江戸区間だ。

 

寒さを感じてウィンブレをザックの上から羽織る。少し走ると左膝が痛くてペースが上がらない。ヤバい、3人に付いていけない!

多分、私に気を遣ってくれて、しばらくまた歩き。そろそろ走らないと時間がまずいよね・・・となって皆走り始めるが、うわっ、やっぱり付いていけない。膝が痛い。

3人の後ろ姿にエールを送り、自分の出来るペースで進むことにする。

 

今まで経験した事のない腸脛靭帯の痛み。体力はまだ残っているが、少し歩き、走り始めるとまた膝に痛みが走る。

徐々に心拍数が下がり、同時に気温も下がり、身体が冷えてきた。気温10度のはずだが、寒くて長袖シャツを一枚追加。すっかり冷えてしまったみたいで、お腹がゴロゴロ言っている。こっちもかなりヤバい。

今思えばストッパを飲めば良かったが、ボーっとして頭が働かない。

 

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23:30 ふじみ野付近。やっと100km通過をガーミンが教えてくれた。

成願寺のエイドまでここから28kmで、関門が5:40か・・・。

膝の痛みも耐え難いが、お腹のゴロゴロも限界。

もはや、完全に心が折れた私・・・。

 

新座駅武蔵野線の終電で家に帰ろうか・・・と思ったが、とても終電時間には辿り着けない。悶々としながら歩いていると、まだゆっくりながら力強い足取りで私を抜いていくランナーが・・・。

まだまだ遠いぞ、成願寺。間に合うのだろうか。仮に間に合っても、まだまだ先は長いのに・・・。

埼玉県民の私としては、もう都内の成願寺まで行くモチベーションを完全に失い、すぐにタクシーを拾って新座駅まで行って、武蔵野線の終電で帰ろうとも思った。

しかし、少しでも強いランナーで終わりたかった私は、新座駅までは自分の足で歩こうと思った。

 

01:23 誰もいない新座駅着。109km。

ゴールは遠く、まだここから約100km。

私は新座駅のタクシー乗場で手を挙げて、一台だけ停まっていたタクシーに乗り、自宅の住所を告げた。

私の「小江戸大江戸200K」はここで残念ながら敗北となった。

 

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翌日の午後、意外と復活して川越蓮馨寺へスタスタ歩いて荷物を取りに行ってきた。

次々にゴールする「通し」のランナーやUターンをして秋ヶ瀬に向かう「おかわり」の人たち。すごいなあ。

覚悟を決めてもっと行けたんじゃないか、もっと練習しておくべきだったとか、悔しい気持ちと情けない気持ちがふつふつとこみ上げてくる。通しの壁は自分が想像していた以上に分厚かった。一年間また精進して、作戦を練り直して、来年ここでまた挑戦しようと思った。

 

今回、一緒に走ったしもべーさん、キヨさん、そしてアカネコさんまでもまさかのリタイヤ。今年の小江戸大江戸は始まって以来の低完走率だったそうだが・・・安定のトラさんは完走し、おかわりの梅さん、今年は通しの鉄人イシイさんが同時ゴール。

途中まで一緒だったマイラーの女性は最後ペースを上げて、制限時間よりずっと早く完走していた。すごい!!!

 

11年前。初めてマラソンレースに出ようと川越に来た時はただの運動不足解消が目的だった。そして、 50歳を過ぎて、200Kを超えるマラソンに挑戦してる自分の姿は想像もできなかった。

細くて長く長く続く道を、ずいぶんと遠くまで来てしまったなあ~と思った。

今日は少し躓いてしまったけれど、この道はまだまだ続いているらしい。

まずは一年後の川越までかな。