湯けむり野営@北アルプス 191102-03 前編

もう師走ではありますが、この秋最後の野営を思い出しながらブログを書いています。

山登りも、釣りや山菜・キノコも好きですが、山の中で焚火をして野営をするのが一番楽しみです。

ほんの一時だけでも社会から完全に隔絶された山の中で、静かに焚火を眺めている時は、本来の自分に帰るような安心感を感じる時間でもあります。さらに、そこに温泉があれば!そして、酒と美味しい料理もあれば、これ以上至福の時は無い!

かつて、群馬、栃木、そして、噴火前の御嶽山の麓にある野湯にも行ってきました。

生命の危険を感じる超酸性泉、大雪の中で腰までしか浸かれない極寒温泉などなど、、、安全な温泉と快適なテン場適地が揃った場所は中々なくて、最後に辿り着いたのは北アルプスの湯俣温泉でした。晩秋の北アルプスで数時間の山歩きの後、最後に冷たい沢を渡渉して野営する物好きは、ほぼ誰もいないのですが、そこはグツグツと温泉が噴き出る桃源郷なのです。

お互い家族もあって都合がつかない釣友「師範」となんとか予定を合わせて、久々に野湯に行ってきました。

 

11月初旬。赤坂、乃木坂、紀尾井町、上野での仕事を終えてヘトヘトになって帰宅。少し仮眠した後、深夜に師範と合流。中央高速を長野方面へ。安曇野ICを出て、一般道を走り、七倉ダムに到着して車を停めます。

ここから先はマイカー規制で、高瀬ダムまではタクシーを利用できます。この週末が今年最後のタクシー営業期間でした。

タクシー運転手さんの話だと、先月の大雨での被害は他の地域に比べればかなり少ないそうですが、多くの登山者がキャンセルしてしまったそうです。また、この辺は昔は9月には霜が降りて、ステンレスのドアノブに触ると手がくっついたものだとの事。異常気象は一時的な事ではなく、11月でこの暖かさは本当におかしいと言っていました。

さて、高瀬ダム前の激坂はタクシーで登り、トンネル前に下車。ここから約4時間程度の登山道歩きです。

 

通常の野営装備の他、4m×5m防水ブルーシート、大型スコップ、多めの酒と食材、モンベル#01厳冬期シュラフと今回は装備が多く、久々にザックは20kgオーバー。スコップを杖代わりにして歩き出します。

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できればナメコがムキタケがあれば、夜の鍋は賑やかになるなあと思いつつ、キノコの気配のありそうな斜面を凝視しながら道を歩きますが、山の恵みは見当たりません。

前回は凍結していて滑りそうになった木道は、今回は全く凍結していません。

紅葉の山歩きは非常に気持ち良いけど、所々、先月の大雨で道が崩落していました。


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正面は槍ヶ岳の北鎌尾根。振り返ると七倉岳らしき山が見えます。

裏銀座ルートから竹村新道を通って降りてきた登山者数名とすれ違います。そして、営業の終わった晴嵐荘を右に見てさらに進みます。晴嵐荘に行く橋は先月の大雨で完全に流されていました。

ここで、テン場で使う飲料水を4Lほど補充。ザックがさらに重くなり、担ぐ時にフラフラします。

そして、踏板が所々欠けている、いや~な吊橋を渡ります。

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吊橋を通過して、小さな尾根を越えると、湯俣温泉の対岸に到着。しかし、まだ温泉は見えず、ここから渡渉をしてさらに上流へ行かないと温泉が湧き出る桃源郷には辿り着けません。

以前はこちら側にも足湯くらいはできる場所があったのですが、大雨で流されてフラットな河原になっていて、ここには温泉の気配は全くありません。 

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しかし、大雨ですっかり変わった川はかなりの水量でザブザブ流れています。

「ここを渡渉するのか・・・(汗)」

 渡渉用にTEVAのサンダル(師範は百均の偽クロックス)を持ってきていますが、この川に突っ込んで行く装備としてはかなり心細い。沢靴で来れば良かったかなと後悔・・・。

ひとまず左側の岸壁に足場があるので少し登って、上流に降りられるか行ってみます。

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「おおお!師範、危ない!」

ここで、もう足場がなく、引き返そうとするとザックが壁に当たって、沢に落ちそうになる。数メートル下の沢に落ちて流されたら流石にヤバそう。

慎重に引き返してまた河原に戻ってしまう。

 

しばらく悩んでいたけど、寒くなってきて、覚悟を決めて思い切って川を渡渉する事に決める。

一番深い所でおそらく腰くらい。流れは結構早そうだ。今まで沢登りでは何度も渡渉した水深だけど、今日の重いザックと足回りの装備だとかなり不安。

ヨシ!と意を決して、師範とお互いのザックのハーネスをしっかりと握り、スクラム渡渉で沢に突入。一歩一歩慎重に歩を進める。思った以上に水圧が強い!

持っていた大型スコップが水流に流されそうになって重心が傾き、ヤバい!と思ったが、なんとか持ちこたえて川を越える事ができた。ホッ。

 

そして、沢通しで少し上流に歩き、湯けむりが立つ台地へ登る。

やった。久々にやってきた。

 

目の前に湯けむりが立つ不思議な景色が広がる。誰もいないし、足跡も全くない。

大雨の後、ここに来たのは僕たちが最初のようだ。しかし、雪の降る季節までおそらく誰も来ないだろう。

 

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国の地質・鉱物天然記念物の「高瀬渓谷の噴泉丘と球状石灰石

この摩訶不思議なおっぱいの様な物体は、長年噴き出した温泉の石灰成分が堆積してできた「噴泉丘」。以前と変わらずグツグツと温泉を噴き出していた。

台地の上をゆったりと温泉が流れ、噴き出した所は湯けむりが上がっている。白砂の広い台地は全く足跡が無く、僕たちの背後にはサンダルの跡が点々と残されていく。

入浴場所を確かめてから、テントとタープを設営。温泉旅館の営業開始だ。

 

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今回はテントは二人別棟でゆったり。タープの下に大きいザックを置き、薪を集め、鍋に水と米を入れてから、入浴場所の土木工事に取り掛かる。

テント場から川に降りると温泉が湧いており、大型スコップで入浴場所を広げる。沢の水と混ぜて適温にして、ブルーシートを使って入浴場所を作ったが、思ったほど水深を稼げず、十分快適な温泉にならない。

 

ひとまず、温泉はそこで入る事にして、夕食の準備に取り掛かる。

今夜の鍋料理は塩味の鶏みぞれ鍋。

鶏もも肉ゴマ油とニンニクで軽く炒めてから、水と具材を投入。しばらく煮込んだ後、味付けをして、大根おろしを投入。

 

 大根おろしをおっぱい状にちょいちょいと乗せて、、、

「湯俣スペシャル噴泉丘鍋」の完成!!!

 

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すっかり冷え切った身体に鍋の温かさが染み渡る。焚火で炊いたお米と一緒に、お腹を十分満たしてから、ビールを片手に川へ移動し温泉に入浴。

イマイチ水深を稼げず寝湯になっちゃったけど、身体は十分に温まり、焚火の前に戻る。

多めに持ってきたビール、数日前から珈琲豆を漬け込んだ「珈琲焼酎」、そして赤ワインを飲んでから、師範が高校時代に好きだった女の子の話をグダグダし始めて、うぜーと思いながら記憶が無くなるほど飲み、#01の厳冬期用シュラフに潜り、気持ちよく(?)眠りにつく。

深夜に尿意を感じてテントを出たら、思わず声が出てしまうほどの夜空!

南の空にオリオン座、北の空に北斗七星が同時に見えるほど、満天の星空がパノラマに広がっていた。

 

長くなったので後編へ続きます。

 

 

今後の目標

まさかマラソンが趣味になるとは思ってもいませんでした。

小学校の頃は足が遅くて、いつもクラスで下から二番目くらい。

しかし、元プロボクサーだった私の父は「毎朝のロードワークは身体作りの基本だ!」と言って、自分も妹も弟も、毎朝毎朝ジョギングをやらされていて、私は小学校卒業まで続けたが(妹と弟はなぜか同時にやめた)、全く効果は現れませんでした。

その効果がやっと現れたのは高校時代で、当時、持久走だけはスポーツ推薦で入学したゴリゴリの野球少年と、弱小水泳部の私が互角に争っていました。(私の高校は元甲子園全国優勝校)

持久走最終日の体育の授業、私は密かに一位を狙っていました。得意の下りで野球部とサッカー部をごぼう抜き、直線逃げ切りでゴールをする。イメージは完璧でした。

前日気合を入れてニンニクを二個丸々食った。今思えばこれが大失敗。

下りで勝負をするどころか、お腹が下って、脂汗をかきながらのゴール。

結局、順位は下から二番目でした・・・。

 

そんな話はどうでもいいのですが、今はマラソンが趣味どころか、生活の一部。「ランニングは中毒性がある」と行きつけの整骨院のお兄さんが言っていたが、まさしく私もランニング中毒に少し侵されていると思う。

まあ私の周囲を見ると、私はまだまだ軽度ですけどね。

 

文字通り運痴(ウンチ)だった私ですが、40代もまもなく終わる今、Garmin ConnectのVO2MAXが54(調子良い時は55)、同世代の95パーセントタイル値を超えるという事で、デザイン・設計想定上無視していいカテゴリーに入ります。

まあ私の周囲を見ると、私はまだまだウンチではありますけどね!

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そんな話はどうでもいいのですが、私にとってのマラソンは、妻は「ただの趣味でしょ」と軽く言うのですが、「ただの趣味」ではなく、仕事やその他様々な事に向き合うモチベーションの原動力の様なもので、マラソンを続ける事で自分自身が前向きに考えられるスポドリエナジージェルの様なものなのです。

 

前振りが長すぎましたが、今後の目標をここにまとめておこうと思っただけなのでした。

 

1、ゼロ富士(富士山頂往復マラニック)完走(8月初旬)

 今年は抽選に漏れたので来年以降の目標(涙)

 ウルトラに馴れる様に超ロング走の練習をしながら、野辺山100Kに来年以降もチャレンジして、仕上がった状態でゼロ富士に再再挑戦。

 来年の野辺山での三湯制覇「湯プシロン」の称号を手に入れるのも密かな目標です。

 富士登山も時々やって、あの高度で登り続ける事に体を慣らしておきたいですね。

 

2、ハセツネ30Kで1000位以内に入り、本戦優先出走権ゲット(3月末か4月初旬)

 今年惨敗だったので、来年は優先出走権を得て、本戦に出たいと思います。

 クリック合戦で本戦に出ようかとも思いましたが、やはり予選である30Kを通過して本戦に出たいですね。

 時々、コースを試走してあの独特のコースに馴れるつもりです。

 トレイルの苦手意識も払しょくしたい。

 

3、別大クオリティの維持(秋から冬のフルマラソンシーズン)

 昨年、地元のさいたま国際でグロス サブ3.5を達成して、別府大分毎日マラソンでの一番下である「カテゴリー4」のエントリー条件を満たしました。

 なので、9月エントリーで来年2月のレースに出走可能なのですが、来年は子供が受験なので涙を飲んでパスします!来年のエントリー、再来年の出走を狙います!

 つくば→さいたま→勝田(若潮?)の三戦どれかで、なんとかグロス3.5を達成して、再来年に別大に出て、さらに厳しい途中関門をクリアして完走してみたい!

 たぶん、これを狙えるのはあと数年?なんとかクオリティを維持か向上して、出てみたい憧れのレースです。夏の練習を怠らず、調子よく秋を迎えたいですね。

 

あ、まもなくつくばのエントリー時間・・・!

 

 

 

 

不良親父たちの沢遊び 190607-08

今回は「土砂降り隊」との釣行。メンバーはミキさん、Iさん、デンさん。

みんな酒の付き合いは長いが、デンさんとの釣りは初めて。Iさんとは野営はしたことがあっても、一緒に釣りをするのは初めて。ミキさんとの釣りもかなり久しぶりです。残念ながら宇都宮在住のエッグマン隊長は都合が合わず来れなかった。

昔は一尾でも多く、そして大物が釣れないと満足できなかった。同行した釣友に自分より大物が釣れると悔しかったのは、僕だけじゃないだろう。

しかし、今やみんなすっかり大人になり、ガツガツしてた頃の面影はなく、落ち着いていながらも、ちょっと(いやかなり)不良な親父になっている。

それでも、野営を愛し、焚火を愛し、酒を愛し、少しだけ釣りも楽しむ。

今日の釣りも自分の中で忘れ得ぬ思い出になって、またしばらくすると、野営が恋しくなるのだろう。

東北道北へ。交代で運転をして、目指すは遠き秋田の渓。

そして、車を停めて、ザックを背負い、四人で歩き出す。

心地よい沢の音、足元を流れる水の冷たさ、ミソサザイのさえずり、頬を撫でる風。

大岩を越えたり、渡渉を繰り返して、上流へ向かう。重いザックが肩に食い込む。

あちこちに残る大増水の痕跡が生々しい。

そして、約3時間で広く快適なテン場に着いた。

幕を張り、荷物を置いて、薪を集めたら、竿を出して釣り上がる。

昔からこの渓のランドマークである三角錐岩に登るミキさん。

岩の先端がおそらく昨年の増水で欠け落ちていた。

僕はルアー、三人はフライとテンカラ。おそらく活性が低く大淵しか釣れないと見込んでルアーにしたのだが、どうやら読みが外れたようだ。

それでも少しの釣果を得て、三人は僕より大きな岩魚を毛針で何尾も釣っていた。

釣りが終われば焚火を囲み宴会だ。

釣れた岩魚を捌いて餃子を握るミキさん。僕は先週採った行者ニンニクと豚肉で炒め物を作った。そしてIさんの鍋はサムゲタン。鶏肉のゼラチンがたまらない。

焚火と酒と料理を前に、夜はふけていく。

渓は自由だ。いつも渓に来ると本来の自分に帰る気がする。

親父たちの思い出話は尽きず、いつものデンさんの遭難話で、酒も回り、いつしかウトウト・・・

しとしと降るお約束の雨で眼が覚め、のんびり起きつつ焚火を熾し、温かい朝食を食べる。

もう一泊の予定だったが、雨ですっかりやる気を無くした不良親父たち。今日はもっと奥の沢を攻めようと言う僕の意見は直ぐに却下され、下山が決定。

物足りない僕はしばらく一人で釣りをさせてもらって、多少のお土産を釣った。

あいつがここにいたらなあ。

みんな同じことを思ったと思うけど、誰も口にしなかった。

僕よりもみんなの方が、喪失感は大きいはずだ。

それでも、渓は変わらず、水はいつまでも流れ続ける。

 

ちばアクアラインマラソンとデザイン

今回、私の仕事とする「デザイン」と、趣味とする「マラソン」において、奇跡のコラボが発生したので、ここに書き残すことにいたします。

  

 

【 プロローグ 】

10月某日。

デザインコンペの情報サイトを見ていたある日、ふとある文字に目が止まった。

ちばアクアラインマラソン2018」完走賞(メダル)デザイン募集

むむむ!アクアラインラソンと言えば、二年に一回、アクアラインの交通を封鎖して海ほたるを走る、千葉県の大規模マラソンイベントである。私自身出場した事はないが、マラソン好きなら誰でも知ってる超有名レースだ。

また、同級生のおさんが運営している人気ランナーブログ「ヨメとオイラのヘッポコラン日記」も第一回がアクアラインラソンで、それからおさんは毎回連続で出場しているし、私のラン友は千葉県に住む方が多いので、県内のお祭りマラソンイベントとして、愛着を持って参加している人がいっぱいいる、とても馴染み深いレースでもある。

さて、こんな大規模マラソンレースのメダルデザインを自分が出来たら・・・デザイナーとしてよりも、ランナーとして、これほど光栄な事があるだろうか!

「ヨシ!決めた。出そう!」

 

【 メダルのデザイン 】

<デザイン案提出>

アクアラインだからデザインモチーフは海と決める。

同じく海沿いのマラソンレースでは横浜マラソン神戸マラソン、いずれも完走者にメダルを贈っているが、メダルのデザインはさすがにセンスが良い。いやいや、千葉だって、負けないカッコいいメダルをデザインしないとなあ。

当初、複雑で凝ったデザインを描いていたが、コンペ要項に「複雑な形状はNG。シンプルな形状で」とある。主催者は斬新なデザインより、「公募を通じてみんなでメダルを作り上げて行きたい」と考えているのだろうか。ちょっと控えめのデザインに修正。

最終的に海ほたるを中央に配置して、波のウェーブとアクアラインを重ねた台形のデザインに絞った。一応、丸いデザイン案も考えたが、LINE投票もあるらしいので、インパクトのあるデザインの方が有利だろう。

 

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11月中旬

デザイン案を提出用フォーマットに貼付けて、事務局へメール送信。

もっとリアリティのある表現をしてもいいけど、まあ、これでイメージは伝わるだろう。同級生おさんの様な本職のイラストレイターだったら、もっと魅力的なデザインをするんだろうなあ。

 

 12月下旬

師走の慌ただしさの中、「ちばアクアラインマラソン準備室」からメールが届く。

 「応募していただいたデザインがLINEの一般投票による選考の対象となりました。なお、投票は12/29から開始されます。」

「やった!ひとまず第一関門クリアだ!」

 

<LINE投票>

 そして、二日後の12/29の夕方。地元のお好み焼き屋で、ビールを飲みながら、ふと思い出した。そうだ今日からLINE投票開始だった!

急いでLINEのアプリを開き、投票の画面を見る。

 

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私のデザインは②である。丸型じゃないのは私だけw

139点の応募があり、6点が最終選考として残っているとのこと。

カラーで提出したが、6点共にグレーの図案で統一されている。

 

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コンセプト

アクアラインを越えて、海ほたるを望む光景を図案化しました。また、波を意識したゆったりと流れる様な曲線で、全体の形をまとめました。完走したランナーたちがメダルを手にして、達成感に包まれる瞬間を想像してデザインをしました。」

 

 そして、現在の投票結果を見てみると・・・

 

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まだ投票数は少ないが、なんと、現在、私のデザインが得票数でトップだ!

LINE投票と言う事は、お友達の多さが大きく影響するだろう。組織票で簡単に覆されてしまうかも知れない・・・。

なんとしても採用されたい私は、親族・友人に対して、SNSとメールを使って「LINE投票をお願いしますキャンペーン」を実施。さらにまた、友人関係や親類関係にも展開してくれた人もいて、本当に感謝感激でした。

そして、年を越して、LINE投票終了期間の1/16まで一日に何度も何度も、投票の途中経過を確認し、ハラハラする毎日が続く。

 

 

 

 

 LINE投票が締め切られ、最終結果は・・・

 

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「LINE投票をお願いしますキャンペーン」の結果、半数近い得票数を得る事ができました。投票して頂いた皆様、本当にありがとうございました。この場を借りてお礼申し上げます。

 

これで私のデザインに決まりか・・・と思われたが、そう言う訳ではなくあくまで上位3案が最終選考に進み、大会実行委員会によって決定されるとの事。どうなるか分からないがひとまず連絡を待つしかない。

 

<3Dデータ制作>

デザイン案として提出はしているが、自分的にはディティールにやり残した部分もあり、勝手に3Dデータを制作することにした。特に海ほたるが鬼ヶ島みたいだったので、もうちょっとカッコいい海ほたるにしたかった。

3Dモデリングをしてレンダリングしたのがこちら。

 

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<3Dプリンターによるモックアップ

知り合いに個人的にお願いをしてデータを送り、3Dプリンターで出力してもらった(Kくん、ありがとう!)。積層式の3Dプリンターで非常に細かいディティールは表現できないが、実際に立体になると良く分かる。

軽く耐水ペーパーで磨き、ゴールド色の缶スプレーで塗装。リボンを通してみるとかなりそれらしく見えた。

自分の首に掛けてどう?どう?と嫁に見せたり、鏡を見ながらニヤニヤしたり、しばし自己満足に浸る。

 

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<デザイン採用決定の連絡>

2月某日 携帯に着信あり。

なんと、電話の向こうは「ちばアクアラインマラソン準備室」の方だ!

「選考の結果、永石さんの案に決定いたしました。また、来月に千葉県庁で表彰式をするので、お越しいただけませんか?」

「は、はい!ありがとうございます!表彰式もちろん出席します!!!」

仕事中に突然の電話でびっくりしたが、オフィスで一人静かにガッツポーズでした。

 

 実は既に準備室へ、私が勝手に作ったレンダリングと3Dプリンターのモックアップ写真をメールで送っていたのだ。全く返信は無かったが、準備室の方は見ていてくれたようで、「凄いですね」とお褒め頂いた(^^)

今後のメダル製作の参考にしたいので、3Dデータを送ってほしいと言われたので、データを添付してメールをした。

 

【 表彰式 】

<まさかの事態発生!> 

表彰式の内容について電話で説明された後、案内が郵送で送られてきた。千葉県庁のHPにも表彰式の概要が告知された。

日時 : 3/12(月)午後

場所 : 千葉県庁 教育長室

内容は、表彰式、デザインコンペの商品券授与、記念撮影。

チーバくんも来てくれるらしい!

それから、報道関係者が来て、囲み取材があるそうです(^^;

 

しかし、ここでまさかの事態が発生する・・・

 

表彰式二日前の土曜日。

私は嫁と子供を連れて、長野県のスキー場へ訪れていた。子供と一緒にリフトに乗っていた時、ふとゲレンデに設けられたスノーボーダー用のジャンプ台が目に入る。

「あの位のジャンプ台なら、スキーでも飛べそうだな。」

ちょうど冬季五輪が毎日のようにTVで放映された時期。脳内イメージはレジェンド葛西だった。

リフトを降り、目指すはジャンプ台。最初に目に入ったジャンプ台へ、徐々に加速していく。そして、思い切って踏み込み、一瞬宙に舞ったその時、思った。

「しまった、高すぎた。」

 

・・・以下略。

 

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 人生初の救急搬送を体験し、診断結果は「腰椎圧迫骨折」「左手首骨折」。

第一腰椎は台形に潰れ、手首の骨は完全に折れている。

当然ながら絶対安静・・・。

 

<表彰式本番>

そして二日後。むくり。

ゆっくりゆっくりと、なんとか歩けそうだ。電車で千葉県庁へ向かう。

せっかくの晴れ舞台なので、嫁と二人で出席させていただいた。

 

 まずは準備室で事前打合せした後に、エレベータに乗り、教育長室へ向かう。

教育長室へ入ると、教育庁の方、アクアラインラソン準備室の方、部屋の周囲には報道関係の方々がいて、私は部屋の中央へ案内される。

 

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カチコチに緊張している私。

チーバくんの胸には、メダルのモックアップが掛かっていて可愛かった(^^)

そして、教育長より挨拶をいただき、商品券授与。

 

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「グキッ!」

お辞儀をして商品券を受け取るが、この姿勢が一番腰に負担が掛かる!

しかし、TVカメラが回っているので表情は変えず、商品券を受け取った。

 

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白い包帯が眩しい。私はチーバくんカラーのセーターを着て行きました。

 

それから、報道関係者やTVカメラにぐるっと囲まれて、いわゆる囲み取材ってのを受ける。質問に答えたり、カメラに向かってぎこちなく笑いつつ、至近距離で撮影されたりした。

 

早くもその日の夕方に、千葉テレビのニュースで私の映像が流れたそうで、はまちさんが映像を添付してメッセージをくれたり、鈍足親父さんがDVDに焼いて渡してくれた。翌日の千葉日報東京新聞の地方版に私の写真が載り、きんぎょさんが購入してくれて、私まで送ってくれた。宝物になりました。ありがとうございました。

 

嬉しさと恥ずかしさでいっぱいだったが、千葉県庁で表彰式をしていただいて、テレビや新聞で報道されるなんて、骨折したばかりの腰と手首の痛みも忘れるくらい、本当に素晴らしく光栄な一日だった。

 

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私のデータを元に千葉県庁の3Dプリンターで出力したモックアップ

当然ながら、来年のアクアラインラソンに出場するつもりだが、このレース、まずは抽選と言う第0次関門を越えなければ出場できない。準備室の方にレース出場の希望を伝えたら、メダルデザイナー枠として、前向きに検討します!との心強いお言葉をいただいた。

 

【 ちばアクアラインマラソン レース編 】

<出場権の抽選>

 後日、準備室の方から電話があり、メダルデザイナー枠について協議したが見送りになったと説明を受ける。今後、受賞者が高校生だった場合にレースには出場できないのが理由との事だった(涙)

非常に残念だが、抽選関門を突破しなければ出場できない。

まずはアスリートランナー枠(男性でフル3:30以内)でエントリーするが、落選!

次は一般枠でエントリーして、やっと当選する事が出来た!

これで、完走すればやっと自分がデザインしたメダルを手にする事が出来る。来年の10月までにリハビリを頑張って、フルマラソンを完走できる体力に戻そうと思った。

 

<レース本番>

夏が過ぎて、いよいよアクアラインラソン本番が近づいてくる。おさんランナーブログでも度々メダルの話題を取り上げてくれて、ブログ繋がりのラン友たちも、本番に向けて盛り上がってきた。ハービー兄貴を筆頭にヒヨコ仮装軍団が結成されたり、通常のマラソンレースとは違うお祭りムードがこのレースの楽しさだ。

おさんブログとしても、過去最大規模の読者大集合となるのは間違いない。

私にとってもメモリアルレースとなるので、メダルデザインをした事が分かるTシャツをアイロンプリントで作って参加しました。

 

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過去最大規模のおさんファミリー集合写真



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デビルさんとトラさんをアメコミ風にアレンジ

背中で完走を目指すランナーを励ましたつもりです。

 

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レース自体はファンランで走ったが、このレースは地元の応援が凄い!町全体がアクアラインラソンを盛り上げるために参加しているみたいで、凄い数の子供達とハイタッチをした。エイドも充実してて、素晴らしい大会だった。ぜひ、2年後も参加したいと思う。

 

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亀さんによるTJARの振り返り

レース後は、だーまえさんが木更津駅近くに一部屋貸切で宴会場所を確保してくれて、おさんブログ繋がりのランナーで大宴会。乾杯の挨拶したり、メダルにサインしたり、亀さんのTJARの報告を聞いたり、それから、たくさんのラン友と話が出来て、最高に楽しい宴会だった。

 

<まとめ>

 2010年の秋から走り始め、一度はマラソンへのモチベーションを喪失した時期もあったけど、忙しくても毎日必ず更新する、同級生のおさんランナーブログに励まされ、繋がったランナー仲間に刺激され、楽しく頑張ってマラソンを続ける事ができて、自己ベストも更新してきた。マラソンをきっかけに、他の色々なことにも、前向きに挑戦する意欲が湧いてきているのは間違いない。

おさんランナーブログに出会わなかったら、メダルデザインコンペの募集を読んだときに何とも思わなかったと思います。

今回のメダルデザインコンペで私のデザインが採用されて、それをきっかけに、何か楽しんだり、頑張れたりできたりできた人がいたら、ランナー仲間たちへ少しは貢献できたかなと思って嬉しく思います。

 

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ようやく手に入れた完走メダル。

フル、ハーフ合わせて17000人のうち完走率88%程だったので、約15000人のランナーに配られたようだ。凄い数ですよね。

 

【 番外編 】

<上位入賞者のメダルデザイン>

 2018年8月某日

準備室より電話があり、上位入賞者及び車椅子部門の方に贈るメダルのデザインを依頼された。一般ランナー用のメダルデザインをベースにしたデザインで、準備室へデータを送った。当日、現物を目にする事は出来なかったが、後日、写真を送っていただいた。

 

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私が送ったデザイン図

 

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金属枠の素材は、金・銀・銅があるらしい。

 

 

 

 

ずぶぬれ舞茸ハンティング 180921

昔、山で生活をしていた人にとって、舞茸の生える場所は実の親子にも言わない秘密だったそうです。

 

確かに舞茸を採るのは本当に大変!急斜面に生えるミズナラの老木を探してはまた登り、探してはまた登るのを繰り返すという重労働。少しでも舞茸が生える場所を知ってた方が効率がいい。しかし、苦労して採った天然舞茸の味は、市販の舞茸とは比較にならない素晴らしい香りと味覚!!!一万円/kgと言う値が付くのも分かる気がします。

 

さて、釣友のコバさんはここ数年、自ら探し出した舞茸の森に通い詰めています。わずかな情報から目星をつけた森に通い、藪だらけの急斜面をくまなく探して、舞茸の採れた場所をGPSマップにポイントした、正に重労働の結晶のようなデータ。誰にも知られたくない情報だと思いますが、昨年、私に声を掛けてくれて、一緒に巨大な舞茸畑の様な場所を発見!

まさに驚きと喜びに舞い踊る経験をさせてもらえたのでした。

 

そんなコバさんが探し出した舞茸の森へ。釣り仲間のBOSS氏、師範と私の4名で行ってきました。天気予報は終日ずっと雨で、急斜面の藪漕ぎはちょっと憂鬱ではありますが、昨年の歓喜の舞茸踊りをもう一度体験したい!夜通し車を走らせ、舞茸の森へ行くのでした。

 

ちなみに今回は終日雨だったのでカメラは持って行かず。ほとんど写真ありませぬ。

 

装備は終日藪漕ぎなので、高いウエアはULで薄くて破れやすいので、厚手のゴアテックス上下と、シューズにはチェーンスパイクを装着。コバさんはワークマン上下とスパイク付の長靴。BOSS氏と師範も藪漕ぎ用のハードな装備でした。

 

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さて、沢を少し詰めてから藪の急斜面に突入。4人でそれぞれ距離を取って、時々大声を出して呼んだり、笛を吹いたりして場所を確認。激藪の中、仲間が一体どこにいるのか、ほとんど分かりません。それでも朝からずっと斜面をひたすら探しますが、なかなか今年は舞茸に出会えません。

途中から私は舞茸が採れない最悪の状況を考え、保険として、雑キノコをちょくちょくネットに入れながら斜面を彷徨います。

 

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ナラタケを中心にタマゴタケ、そしてヤマブシタケをネットに入れますw

 

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するとコバさんがようやく舞茸を発見!なかなか立派できれいな株!茶色系の舞茸。

 

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しばらくしてまた舞茸を見つけますが、古くて流れてしまった老菌。

食べられる感じではありません。

 

数時間の藪漕ぎ後、昨年の巨大な舞茸畑の場所まで辿り着きますが、今年は不作!!!

もう四人ともずぶ濡れで、雨なのか汗なのか全身グショグショで良く分からない状況です。それでも急斜面の藪を掻き分け、執念でミズナラの老木を探してはまた藪漕ぎを繰り返します。

 

するとついに・・・

 

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あれ?木のうろの中にあるのは・・・?

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やった!舞茸発見!白舞茸です!

木の横に回り込まないと見えない位置にありました。執念の成果!

しかし、ちょっと老菌?虫も多いです。微妙なコンディションかな?

(家に帰って改めて見たら全然大丈夫な良い株でした。)

 

いつの間にか他の三人とははぐれてしまい、一人ザックに舞茸を入れて、斜面を下降します。林道をしばらく歩いて車の止めた方向に歩いて行くと、三人はタープを張って雨を避けながら、昼食のおにぎりとビールを口にしていました。

 

結局、師範とBOSS氏は舞茸を見つけられず、今年は全体的に貧果でした。コバさんに聞くと、斜面に人の足跡も無かったので先行者がいたとも思えず、紅葉もまだ始まったばかりだったので、時期が2週間程早かったかなあと言う事でした。

 

帰りは四人で温泉に入り、時間も早かったし、ほとんど寝て無かったのでゆっくりと過ごします。

そして、本当は今日いるはずだったエノさんの話をして、墓参りの予定を決めながら帰りました。

 

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さて、帰宅後は舞茸の処理をしてから、しばらくは舞茸三昧。

 去年に比べれば今年はかなり少ないですが、子供に「お父さん舞茸臭い!」と言われるほど、舞茸臭を発する舞茸祭りの数日でした。

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舞茸を干して少し乾燥させます

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まずは舞茸天ぷら。肉厚の天然舞茸ならではのジューシーな味。

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餃子の皮を使ったシーフード舞茸ピザがクセになるw

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雑キノコうどん。ナラタケがいい出汁を出してくれました。

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そして、舞茸の炊込みご飯!これがまた最高!

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残りは天日で干して乾燥舞茸にしてみました。ビックリするほど小さくなりますが、香りは凝縮されてすごいです。

年末の釣り仲間の忘年会にでも料理してみようかな。

 

今年もおかげ様で秋の味を堪能できた数日でした。また来年も舞い踊りに舞茸の森へ行きたいですね。

 

 

 

 

 

 

 

 

リフレッシュ休暇 180905~07

ホームページの更新が止まり、いつの間にか何年も経ってしまいました。そこで心機一転ブログを始めてみました。
釣りらしい釣りも超久しぶり。今や釣り人と言うよりマラソンランナーですが、久々の釣り(?)なのでレポを書いておきます。
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今年で勤続25周年となり、一週間のリフレッシュ休暇をもらいました。一応、家族と一緒に旅行でもと声を掛けましたが、奥様は仕事、子供は部活と忙しい。という事でやっぱり一人旅に決定!
さて、せっかくのロングバケーション、どうしようかなあ♪

A : 南アルプスの廃道を辿り、沢で野営し釣り三昧、からの3000m峰ピークハント案
B : 自宅からロードバイクで竹芝へ。そのまま客船に乗り八丈島へ。キャンプしつつ、釣り・ラン・チャリのローテ案
C : いっそのこと小笠原へ行っちゃうか案
D : 仕事が終わらず、自宅でホームワークする案

上記計画(D案以外)いずれも単独キャンプと釣りがセット。超ワクワクしながら計画検討を進めていたが、まさかの猛烈な台風が日本列島を襲撃すると言う悲劇!やむなくD案(自宅で仕事)をしていたが、ようやく台風が通過。土日は出張なので、残りは二日半しか無く、どの案も時間的に無理(涙)。
しかし、とにかく「焚火を前に静かな夜を過ごしたい欲求」が限界だったので、とりあえず、釣竿と野営道具をマイカーに詰め込んで、かつて通った群馬の渓流で遊ぶことにしました。
それから、今まで多くの沢で野営をしてきましたが、単独でかつ山中で野営をするのは初めてです。

 

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車止め近くの陸橋。夕焼けで赤い橋がさらに真っ赤に染まっている。

 

【初日】

 

夕方に車止めに到着。ザックを背負い、林道を歩き始めた。ザックの重量は19kg。それなりに道具は絞ったつもりだが、どうしてもこのくらいになってしまう。一眼レフもやっぱり重いのだ。
いつの間に携帯も圏外になり、以前に比べて荒れまくっている林道も次第に真っ暗になり、ヘッドランプを点けて小走りで進む。

 

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林道はほとんど日が沈み、そろそろヘッドライトを点灯する。

 

約2時間で予定していたテン場に到着。ここは湧き水もあるし、増水の恐れもない高台。
以前は林道にヒルがいたのだが、なぜか全くいなかった。ヒルが怖かったので、今回はタープ泊でなくテント泊。基本的に焚火の前で過ごすが、雨が降っちゃったらテントに避難です。
焚火缶に無洗米と湧き水を入れ、缶ビールを開け、テントを張って、火を熾す。
焚火の火力が安定してきたら、焚火缶を火の上へ吊るす。包丁で野菜を切り、凍らせて持ってきた鶏もも肉と一緒に鍋に入れ、バーナーでスープを作る。ようやく一息だ。
焚火で炊くご飯はほとんど失敗した事がない。持ってきた赤ワインを飲みながら、夕食の鶏もも肉スープとご飯をいただく。
お腹も満たされて、ゆったりと周囲を見渡してみる。改めて焚火の周りには自分以外誰もいない。ひたすら静かで真っ暗な闇があるだけ。

食後、ちょっと林が開けた場所まで歩き、夜空を見上げた。
空一面びっしりと隙間なく星が煌めいていた。まるで星空に包まれている様だ。しばらく星空を眺めて、「夏の大三角」を確認。それから焚火の音がするテントの場所に戻り、ちょっと早目にシュラフカバーに潜り込んだ。
明日は5時起きだ。

 

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【2日目】

夜中、意外と冷えて何度か目が覚めてから、アラームの音で5時に目が覚めた。
昨日のスープに残りのご飯を入れ、卵を入れて雑炊にする。体が芯から温まる。のんびりと釣り準備をして、テントを後にする。今日はなんとかたんぱく質を手に入れないと、夕食のおかずは野菜スープのみになってしまう。

 

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源流釣り師としてはちょっと軟弱なテン場

 

ここからはほぼ登山者は来ない廃道で、斜面に残された細い足跡を辿っていく。途中、切れ落ちた斜面もトラバースしていくので、沢靴にチェーンスパイクを装着して進む。あちこちにブナの実が沢山落ちていた。冬眠前のツキノワグマにとって食料は多そうだ。

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こんな斜面を進む。気を付けないと斜面から滑落しそうになる。

 

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ムラサキシメジ 可食と言われてもちょっと手が出にくい鮮やかな紫色

 

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目印となる栃の巨木の脇を通過。台風の後で栃の実がゴロゴロ落ちている。

 

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キツネノチャブクロ(ホコリタケ)

 

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遥か下に沢が見える。地元の人が夫婦滝と言う滝。太い方が夫?妻?

 

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斜面に流れる沢には、台風で落ちたまだ青いミズナラのドングリがいっぱい。

 

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ミズにはコブが沢山付いている。帰りに採って戻ろう。

 

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入渓ポイントが見えてきた。

 

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約30分で沢に到着。日帰りザック20L 食事と釣具とお助け紐。ここでチェーンスパイクを外す。

 

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今日はフライフィッシング。直前で巻いてきたけど玉数不足・・・。

 

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フライ向きのポイントが少ない。ルアーにすれば良かったかなあ。

 

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全くフライに反応の無いまま一つ目の大滝まで来た。
この滝の直登は険しいので、激藪の斜面を突入するしかない。しかし、すぐに第二の大滝があってそこも大巻きとなる。
激藪斜面に突入して強引に少し登ったが、単独だし久々だし、途中でルートが良くわからなくなり、気持ちが折れて引き返した。

 

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しかたなく林道を少し戻り、途中に差している沢から下降。お助け紐を出すこともなく本流に降りた。
落差があまりないし、深さがある淵や岩魚が隠れやすいポイントが少ないなあ。

 

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師範が以前ウエットフライで尺上を釣った夫婦滝ポイント。
やっとフライに出たのに、痛恨の合わせ遅れ(涙)。くそ~緊張感が足りなかった。

 

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美しいトリカブトの花。時期なのか地域なのか、少し白っぽい。

 

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ミズキの赤い茎と黒い実

 

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アザミとミツバチ

 

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写真ばかり撮ってるが、岩魚の反応は全く無し・・・
この沢、岩魚自体多くは無いが、今日はほとんど大きい淵の底にへばりついているのだろう。ルアーだったらちょっとは釣れるだろうけど、フライには厳しいコンディションだ。結局、また林道を戻り、テン場近くの沢へ移動する事にする。
思い切って大滝の上を登れば良かったかな・・・

 

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色鮮やかなタマゴタケがあちこちに出ていた。

 

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ハナビラニカワタケ

 

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今度はテン場前の沢へ入渓。短い区間だけど、最後に大場所がある。

 

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ここで最後にしようと思ったポイントは、今日一日で一番期待が持てそうな好ポイント。
そして、一発目で出た7寸岩魚。これを逃したら、夕食にたんぱく質が無い!
まるで尺岩魚を釣った時のように、慌てて岸に上げた。(ランディングネットは使わなかったwww)

 

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テン場に戻り、焚火を熾す。ビールを開ける。定型業務。
岩魚を捌いて焚火前に差す。遠火の強火でじっくり焼くのがコツ。同時にご飯も焚火で炊く。
スープはバーナーで。持ってきた野菜と今日採ったタマゴタケを投入。
1人で焚火の加減をしながら、塩焼き、炊飯、鍋を作るのは結構慌ただしい。

 

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今夜の夕食。岩魚の塩焼きとタマゴタケ鍋定食。

 

なんとかたんぱく質の補給ができた。刺身とムニエルもやりたくて準備してたけど、一尾だと塩焼きにする方が、骨まで残さず食べれるのでいい。
釣果はイマイチだったけど、一応、山の中で「焚火を前に静かな夜を過ごす」目的は達成する事ができた。一人野営は不安感もあるかなとも思ったが、全くそんな事はなく、自分のこれからの事や、家族の事など、いつも慌ただしくて考えられなかった事をゆっくりと深く考える事ができて、非常に有意義な一時だった気がする。焚火のパチッパチッとはぜる乾いた音が夜空に響いていた。


【3日目】

 

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翌朝、もう釣りをする気が無いので、沢の水でお湯を沸かして珈琲を淹れてまったり。自宅で焙煎した珈琲を山で飲めるのは非常に幸福感を感じますw

 

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ミズナコブを茹でて塩を掛ける。コリコリした食感がクセになる。唐辛子を少し掛けると美味しいんだけど、忘れてた。

 

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ミズの太い茎を、まな板に乗せて包丁で刻んでミズトロロにする。こちらも唐辛子が少しあった方がいい。

 

山菜を食べたり、残りのワインを飲んだりして、数時間をまったりと過ごし、ようやく重い腰を上げ、テントを撤収。
帰りは走らず、カメラを持ちながらのんびりと林道を帰る。

 

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山葡萄がたわわに実っていて、食べてと言わんばかりに林道に掛かっている。
いくつかの実を口の中へ放り込む。店で売ってるブドウの様に甘くはない。酸っぱい味が口の中に広がる。

 

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ここの林道は朴ノ木がすごく多い。巨大な朴葉が時々道に落ちている。

 

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台風で落ちたサルナシの実があちこちに散らばっていた。いつも高い木の上にあるから採れないけど、今日は採り放題www
拾ってムニュムニュする熟した実を口に入れると、甘さが口の中に広がり、わずかにキウイの酸味を感じる。山菜や木の実って実のところ市販の野菜の方が美味しかったりするけど、サルナシは別格ですね。こんな美味しいフルーツはスーパーには売ってない。猿の様にいくつも拾ってパクパク食べながら歩く。

 

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ガクアジサイ

 

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シャクの花

 

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登山道に通じる橋から渓流を見下ろす。イヌワシが生息する沢。

 

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猛毒のテングタケがニョキニョキ!

 

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そのすぐ脇でヌメリイグチかな?

 

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キクイモモドキとモンキチョウ

 

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ツリフネソウ

 

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行きにヘッドライトを点けた場所。ススキが揺れている。しばらく真っすぐの道を辿れば車止めだ。少し寂しい。

 

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行きの倍以上の時間を掛けて、やっと車に到着。
林道を歩きながら採ったタマゴタケ。並べるとタマゴから生えてくる様子が良く分かる。

 

と言う事で私のリフレッシュ休暇はこれでおしまい。

ラソンやトレイルを走るのも大好きですが、釣りや採取をしながら、焚火をして酒を飲んで、静かな山の夜を過ごすのはやっぱり自分のアウトドアの原点だし、豊かな時間でした。
あんまり釣れなかったし、本当はもっと遠くの深い山へ、日数を掛けて行きたかったけど、また次回ですね。一人キャンプでもいいから、また縄文的な生活をしに山に入りたいですね。

 

さて、早く帰って、翌日からの出張の準備です!